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魔法史の授業に向かう途中で、彼女を見つけた。誰かと一緒に何か話しているようだった。
僕は興味ないんだけど、という風を装ってちらりと横目で彼女らを見る。
意気地なしってののしるならそうすればいいよ。そのとおりだからね。




「あ、ハリー!」




は大きくあげた片手をぶんぶんと振って、僕の名前を呼んだ。僕は苦笑いのような笑みを浮かべる。
駆け寄ってきた彼女の目はいつも以上にキラキラと輝きを増していて、それがまた僕をいらだたせる。




「やあ、。あ、こんにちはルーピン先生」
「こんにちは、ハリー」




僕は精一杯の作り笑顔でそうかえす。たぶんそれはぎこちない苦笑いでしかなかっただろうけど。
・・・こういっては失礼かもしれないけれど、僕の苦笑いの原因でもあるルーピン先生はにこりといつものように優しく笑った。 この人は本当に隙がない。なさすぎるから余計にやっかいだ。
なんだか僕は胸のあたりがむかむかしてきたのを感じた。んー悪いもの食べたわけじゃないんだけどなあ。
まあ、その原因くらい分かってるんだけどね。百味ビーンズのはなくそ味を食べたときよりも気分が悪いよ。最悪だ。




は分からない問題について、ルーピン先生に質問していたらしい。
勉強熱心なのことだから、色々深く、・・・ハーマイオニーほどではないが、質問していたのだろう。
ルーピン先生は僕が見ている中で一瞬だけふう、とため息をついた。
きっと、先生はおとといまで病気で休みだったからまだ疲れが抜けていないんだろうなと僕は思った。
しかしため息といっても、それはとても軽いものだったし、
なにより、先生は彼女の質問攻めに苦痛を感じている様子ではなかった。
むしろ嬉しそうに、いとおしいものを見るような視線で彼女を見ていた。





僕はルーピン先生とが仲むつまじい様子で話を続けているそばで何も言わず、
かといって次の教室へ向かうわけでもなく、ただそこに突っ立っているだけだった。
の肩越しに中庭が見える。ずっと向こうのほうにフレッドとジョージの姿が見えた。
また何か新しいいたずらでも考えてるのかな。あとで見せてもらおうかな。
ぼんやりとしている僕の視界のはじの方で、彼女はその白い頬をほんのりと朱に染めて幸せそうに微笑む。
そんな彼女を横目ににして、こんな空気壊れてしまえばいいと思う自分が僕の中にひっそりと姿を現していた。




「ハリーは試験勉強のほうは進んでいるかい?」
「え・・・、あ、いやそんなには・・・」




突然ルーピン先生が僕のほうを振り返って尋ねる。僕はいきなりのことだったので、少し動揺した。
しかも勉強のことを聞いてくるなんて・・・先生も人が悪いなあ。




「そうか。まあ、それなりにはやっておくんだよ?」
「はい、分かりました。先生」




にこりと目を細めて先生は笑って頷いた。
僕とルーピン先生が話しているのを、は本当にうらやましいといった様子で見ていた。
まるで甘いお菓子をねだる小さなこどものように、愛くるしい目でじっと。
彼女のしぐさのひとつひとつが僕の胸の左側をくるおしいほどにしめつける。




「さあ、そろそろ二人とも次の授業に行かないとまずいんじゃないかな?」




少し黙りこくっていた僕らの間で、先生が口火を切った。




「あ、そうだよ!急がなくちゃ遅刻しちゃうよ」
「そうねハリー。それじゃあ、ルーピン先生またあとで」
「ああ。気をつけて」




ルーピン先生はそういってひらひらと右手を振った。
僕はそのとき、彼女の言葉が頭にひっかかってしょうがなかった。
急ごう、とさりげなくの手をとって僕は歩き出した。
思っていたよりも小さくて、細くて柔らかい手だったから僕は内心かなり驚いていたけれど、
それを表に出すことは決してなかった。そんなの格好悪くて死んでもできない。
ずんずんと歩く僕に腕をとられてどうしたのハリー・・?なんて戸惑いながらも、
彼女はまだ先生のほうを振り返ってゆっくりひらひらと手を振り合っていた。


いつも以上に愛くるしい笑顔だった。



それがどうにも耐えられなくて、僕はの手を握る自分の手に更に力をこめた。
いたいよ、ハリーと彼女が小さく抗議する声も耳を掠めるだけだった。
まわりなんか見えないし、まわりの音なんか聞こえないよ。シャッターがおりたからもうおしまいさ。


僕はそのとき彼女が、いや誰がなんと言ったってかまうものかと思った。








いらいらするよ、その笑顔























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リーマスに引き続きいらいらシリーズ第2段です。・・・なんてね!(なにそれ)